ヤークトティーガーは、1944年2月から年間150両の予定で生産が始まりましたが、最終的な生産台数は82両(工場出荷記録)となっています。



避弾経始が十分確保できないため、戦闘室の装甲が前面300mm、側面200mmという鉄の塊の車体に55口径128mm砲(12.8cm Pak 44 L/55)という大戦末期では最大の対戦車砲を搭載していました。(他にも当時のロシア軍には152mm榴弾砲を搭載したJSU-152、122mm対戦車砲を搭載したIS-2がありました)
この128mm砲は1km先の200mmの装甲(傾斜角60°)を貫通する威力がありました。
砲弾の重量は30kg弱のため、砲弾と薬莢を分離装填にして装填手は2名体制となり、乗員は6名となってます。




配備は第512重戦車駆逐大隊と第653重戦車駆逐大隊に1944年6月から始まりますが、旋回砲塔がなく、車両重量も大きいため、駆動系への負担が大きいことによる故障が頻発し、放棄・自爆処分される車両が続出し、さらに搭乗員の練度が低いため戦闘放棄や弱部露呈により撃破されています。
また、車体前面にあるトラベリングリングは、巨大な砲身を移動時の振動から支えるためのものですが、接敵時に搭乗員が手動で外す必要があり評判は悪かったようです。
結局この車両は、機動戦よりも移動砲台的なものとして防御戦に適していたように思います。(大戦末期のドイツ軍の戦況には合ってたと思います)

カリウスは、1940年歩兵補充部隊に入隊し基礎訓練後、戦車部隊へ志願し配属されます。
その後、1941年6月から負傷し後送される1944年7月まで東部戦線に従軍します。
1943年1月には第502重戦車大隊のティーガーⅠの車長となります。
負傷から復帰後、ヤークトティーガーで編成される第512重戦車駆逐大隊第2中隊長を任されます。
大隊は3個中隊30両の予定で、1945年2月から配備が始まりました。
第1、第2中隊の20両は3月中~下旬頃から、第3中隊の7両は4月初旬頃から戦闘に参加しますが、移動中の故障のため戦闘前に破棄される車両が多発してます。


カリウスの第2中隊は練度・士気の低い搭乗員が多く、「一番良い兵器でも、訓練された兵が扱わなければ何の役にも立たない」とカリウスは嘆いてます。
実際に第2中隊の戦果はアメリカ軍戦車1両撃破のみで、中隊は1両が戦闘時に撃破、1両は味方誤射により撃破、残りの8両は故障による放棄や自爆処分になっています。


カリウスは前線での敵情・地形の偵察を重視し、諸兵科連合による連携攻撃を用いた戦術を好んでいます。
これに対して、かの有名なミハエル・ビットマンは独断専行型の直感的な戦術を好んでいます。
“ティーガーⅠのエース”と呼ばれた2人ですが、戦術が真逆なので驚きです。


一方、第1中隊は中隊長のアルバート・エルンストが他の部隊から引き抜いてきたベテラン搭乗員で編成され、それなりの戦果を上げましたが損害も多く、最後まで残ったのは10両中3両のみでした。
第1中隊は、1945年4月16日に米軍によるルール包囲網下ドイツ西部のイゼーローンで米軍戦車24両を撃破し、最後まで戦い抜いて投降しています。


今回はカリウス搭乗車ではなく、第1中隊第1小隊長のハインツ・ロンドルフ少尉搭乗車を作りました。
なぜかというと、単純にキルマークがカッコよかったから…笑
車両番号X2、砲身にキルマークが5本描かれている中隊の生き残りの1両です。
資料によると、彼は第503重戦車大隊から引き抜かれたベテラン戦車兵で、前搭乗車(タイガーⅠ)では敵車両106両を撃破した猛者となっています。

偶然、YouTubeで当時の映像にX2号車と思われる車両が映っているのを見つけました。
動画はイゼーローンで米軍に投降した時のものと思われ、第1中隊の生き残りの3両のヤークトティーガーが映っており、車両番号は擬装で隠れていますが、砲身にキルマークが描かれているのがわかります。
この当該車両の右側フロントフェンダーは外されていたので、完成品も外してます。
が、動画をよーく見ると右側リアフェンダーも無いことがわかりましたが、すでに接着した後なので、外れる前ということにします。
動画の中には部下に訓示するアルバート・エルンストも映ってます。
最後にキットについて、すこし。
今回のタミヤのキットは中期型ですが、限定品のため既に売り切れで再販が無い限り入手困難です。
そのため、高値覚悟でこの商品(中期型)をオークションサイトで探すか、タコム製(前期型/後期型選択式)、タミヤ製前期型、ドラゴン製前期型、プラッツ製(キットはドラゴン製)ガルパン仕様前期型を買うかになります。
なお、タコム製は修正加工が必要な難易度の高いキットのようですから、タミヤ製前期型+連結式キャタピラ(タミヤ製又はモデルカステン製)が無難かもしれません。
このキットにはおまけで、カリウスのフィギュアやバイク偵察兵が付いてますので、ジオラマで仕上げるのも面白いと思います。

余談:どうもフィギュアのヘッドを入れ違えて付けてるようです。汗
ヤークトティーガーの車長のヘッド⇔地図を指差している副官のヘッドです。
でも、まったく違和感なく自然な感じですし…ま、これはこれでいいかなと。笑